クラインフェルター症候群
クラインフェルター症候群(Klinefelter Syndrome)とは,男性のみに見られる性染色体の異常症です。
ヒトの染色体は22対の常染色体と1対の性染色体の計23対46本の染色体から構成されており、性染色体の組み合わせがXXとなれば女性、XYとなれば男性でしたね。
ところがクラインフェルター症候群の男性ではこの性染色体のXが通常より1本多くXXYとなっており、時にはX染色体がさらに多いXXXYタイプやXXXXYタイプの男性も見受けられます。
クラインフェルター症候群は染色体の検査をしてみないとわかりませんので、クラインフェルター症候群の男性はほとんどが自分がクラインフェルター症候群だと気付かずにごく普通の日常生活を送っています。
クラインフェルター症候群が疑われるのは第二次性徴が現れる思春期の頃、「男の子のくせにちょっと女の子っぽいかなぁ?」という印象を周囲に与えます。
クラインフェルター症候群の症状はさまざまで、性染色体に異常があってもこれといった症状はなく通常のXY男性と変らない人、体が男性っぽくならずに女性っぽくなる人、ホルモンバランスの崩れから病気がちになる人などが見受けられますが、一般的には不妊、乳腺発達、身体の女性化、言語障害・学習障害などの症状が見られます。
これらのうち、もっとも代表的な症状は不妊です。
勃起力や射精能力などの性能力は普通なのですが、男性ホルモン不足が原因で精子の量が少ないことから、十分な妊娠能力がないのです。
また、男性ホルモンが少ないことから乳房が発達したり、ヒゲや体毛が濃くならなかったり、声変りしなかったりします。
クラインフェルター症候群の治療は主に男性ホルモンを補充します。
男性ホルモンの1種であるテストステロンを月に1~2回程度筋肉注射するのが一般的です。
ただし、男性ホルモンを補充しても不妊には効果はなく、また、前立腺ガンの人には男性ホルモン療法は厳禁です。