アンジェルマン症候群
アンジェルマン症候群とは、15番染色体上の一部の遺伝子の欠失症により、失調性歩行、頻繁に生じる笑い、多幸性、重度精神遅滞、てんかんなどの症候が多彩かつまとまった状態で形成されみられる病的状態をいい、英国の医師であるへリー・アンジェルマン博士が1965年に発見した。
このアンジェルマン・シンドロームは、略称でしばしば「AS」と呼ばれる。
(以下「AS」という。)
ほとんどは突然変異で発生し、約2万人-3万人に一人と言われる病気である。
このアンジェルマン症候群は、新生児期や乳児期には障害が顕著ではないことから、特徴的な症状がはっきり表れてくる3歳から7歳くらいに発見されることが多く、実際に発達の遅れや重度言語障害、動作や平衡の異常、特異な行動が見られてきて、はじめて疑いを持つ場合がほとんどである。
このアンジェルマン症候群は、未解明な部分も多いが、最新の分子生物学的手法ではAS患者の約70%にその15番染色体の欠失を見いだすことが出来る。
欠失箇所は極めて小さいが、いくつもの遺伝子が含まれるには充分な大きさの欠失と言える。
15番染色体の欠失領域には、親からの由来で活性化されたり不活性化されたりする遺伝子が含まれていることが分かっている。
すなわち、母親から伝わった15番染色体では働くようにスイッチが入れられていても、父親からのものでは働かないようにスイッチが切られている遺伝子があるということだ。
ASの原因となる遺伝子はまだ特定されていないが、現代の技術の進歩から発見も時間の問題と言われている。
90%以上に痙攣の症状が見られるほか、歩行や動作異常、多動性、言語障害、精神発達の遅滞、低色素症、斜視、眼球色素欠損、睡眠障害、摂食障害などの症状が見られることがある。
難病の指定を受けているほか、様々な精神的な症状をやわらげるためのカウンセリングなども研究され始めている。
子供が生後、同様な症状でずっと悩まれているという方は、医者に早い内に診てもらうことをオススメする。