スティーブンスジョンソン症候群
スティーブンスジョンソン症候群(Stevens Johnson syndrome、SJS)とは皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、文字通り皮膚、粘膜、目などに水泡や湿疹ができます。
スティーブンスジョンソン症候群の症状は、発熱や関節痛、体のだるさから始まり、体のあちこちに赤い斑点や水ぶくれ・湿疹ができて、やがて皮膚がはがれることもあります。
また、唇や口の中、のど、鼻、性器・尿道、肛門、目の粘膜など、全身の粘膜組織にも赤い斑点や出血などの症状が表れることがあります。
ひどい場合には目の表面がただれ失明にいたる場合もあります。
さらに消化管粘膜や気道粘膜がダメージを受けると、下痢や消化不良、呼吸困難などの症状も表れることがあります。
スティーブンスジョンソン症候群は、医薬品、細菌・真菌・ウイルス、マイコプラズマ、食物、ガン、膠原病、寒さや紫外線などの外部の物理的な刺激により引き起こされるアレルギー性の疾患であると考えられていますが、大半は医薬品の副作用として発症するようです。
スティーブンスジョンソン症候群を引き起こす医薬品としては、催眠鎮静剤、サルファ剤、利尿剤、降圧剤、緑内障治療薬、サルファ系抗菌剤、抗生物質など様々な種類の医薬品が報告されていますが、スティーブンスジョンソン症候群の発症メカニズムは明確にはなっておらず、事前に予測・予防するのは困難であると言わざるを得ません。
スティーブンスジョンソン症候群が発症した場合、まず原因となる医薬品や食品、細菌・ウイルスなどのアレルギー物質を探すところから始め、医薬品が原因であると思われる場合にはその医薬品の服用をただちに中止します。
スティーブンスジョンソン症候群の治療には、ステロイド(ホルモン)やビタミン剤とともに、弱くなった皮膚からの感染予防のために抗生物質が使用されますが、医療関係者の中にはステロイドの使用には反対する意見もあります。