スギ花粉症対策に乳酸菌
アレルギーの症状には重度なものから軽度なものまで様々なものがありますが、その中でも花粉症は日常生活に重大な支障はきたさないが、でも不快な症状を発症させるものとして有名です。
特に季節が関係し、毎年早春から早い人では花粉症の症状が現れます。
何年か前までは花粉症はそれほど注目されてはいませんでしたが、近年の花粉症人口の急増にともない、テレビの天気予報でも花粉症の予報までされる時代となりました。
いまや国民病とも言われる花粉症ですが、実際の治療法はまだ分かっていません。
そこで対症療法としていろいろな説や、治療法が唱えられていますが、効果がある人、ない人など様々で、民間療法を含め、花粉症関連の情報や製品はネットではあふれています。
その中で花粉症対策には乳酸菌が効果があるという研究が注目を集めていますので、その研究について考えてみたいと思います。
まず、アレルギーの症状は体に何らかのアレルギーを発症させる物質が侵入し、それに対する抗体反応(免疫反応)として起きることはよく知られていることです。
そして免疫反応は免疫細胞の一種である「ヘルパーT細胞」が関係しているといわれています。
この「ヘルパーT細胞」にはTh1とTh2の2種類があり、前者はウイルス感染細胞やがん細胞などを攻撃するタイプで、後者はアレルギーの原因になるタイプです。
通常はこの2種類のヘルパー細胞が均衡していますが、アレルギーを起こしやすい人はこの2種類のヘルパー細胞のバランスが崩れてしまうことが原因だといわれています。
このためアレルギーを起こしにくくするには体質改善が有効だとされていますが、乳酸菌はこうしたアレルギーを起こしにくくする体質に改善する効果があるといわれています。
「ヘルパーT細胞」との関連で見ていくと、Th1とTh2のバランスを保つようにすればいいのですが、具体的にはTh1の数を増やし、Th2の数を減らすことです。
乳酸菌にはTh1を増やす作用があるといわれています。
こうした研究成果は乳酸菌を使った食品を製造するヤクルト、カルピス、雪印乳業、明治乳業、キリンビールなどのメーカーから次々に発表されています。
ただし、乳酸菌ならどれでもいいというわけではなく、乳酸菌の種類によっても違いがあり、一概に全部の乳酸菌に効果があるとはいえないそうです。
乳酸菌には菌株というものがあり、それぞれに特徴がありますが、そのうちの一部に上記のような効果が認められています。
乳酸菌が原料ならどれでも効果がある、というような早とちりはしないほうがいいでしょう。
特に「花粉症に効く」といったような宣伝は今のところ薬品として認可されたもの以外は禁止されていますので、乳酸菌が原料である飲料水、錠剤などにそうした表記があった場合は注意しましょう。
ここで国民生活センター情報分析部が出した注意を掲載しておきます。
①業者や製品の宣伝文を鵜呑みにしない。
試す場合は医師に相談するか、自分で情報を集める
②実際に購入する場合も、自分の体質に合うかどうかは不明なので、一度に大量購入は控える
③こうした製品はマルチ商法で扱われる場合も多いので、販売方法に問題や疑問を感じたら中止する。
などとなっていますが、これらの注意点は健康食品一般にもいえることですが、自分の健康に関することですので他人まかせにしないことが最善の防御法かもしれません。