切迫 性 尿 失禁
切迫性尿失禁の典型的な症状は、なんの前ぶれもなく尿がしたくなり、その勢いが急なためにトイレまで我慢することができずに尿を漏らしてしまうという尿失禁のことです。
尿意が劇的に訪れて切迫感が高いというところから、切迫性尿失禁と呼んでいます。
排尿量は腹圧性尿失禁よりも多い場合が多々あり、ときに大量に出ます。
尿意を催すとと急に出てしまいますから、膀胱に少しでも尿がたまると、トイレに行くようになります。
頻尿といって、尿の回数が多くなるという症状になってしまいます。
この症状は高齢の方で性別を問わず多く見受けられます。
軽度の腹圧性尿失禁の場合はもれる尿の量も少ないですから、うすめのパッドを当てることなどで対応できますが、切迫性尿失禁のケースですと、尿意を感じてトイレに行きたいと思って行動しているのに、その寸前で大量に尿を漏らしてしまうことになりますから、自責の念や周囲に対する羞恥心などにより、うつ病になってしまう方も珍しくないようです。
また、家のトイレの前などで大量に尿を漏らしてしまったという場合に、家族から痴呆症になったのではないかと間違った認識をもたれてしまう場合があるようです。
本人がいくら意識は正常だと訴えても、肝心の尿失禁の症状はそのままですから、家族は心配します。
しかし本人は痴呆症でもないのに痴呆症扱いされて、次第に家族との間に溝ができてしまうという困った自体を抱える人もいると聞きます。
しかし以前と比較して治療法がしっかり確立されて来た現在では、よく効く薬が開発されていますので、ほとんどのケースで治療可能になっています。
もう一つ大切なことは、患者さんが医師に対して、自分の症状をきちんと話せるかどうかが鍵となりますので、聞かれたことに対して正直に恥ずかしがらずに話すことが、回復への早道です。