尿 失禁
尿失禁とは、別名「尿もれ」のことで、簡単にいえば、トイレではないところで尿が漏れてしまうことで、自分の意思に反して何かの弾みで出てしまうことです。
こんな症状で悩んでおられる方も、いらっしゃるようですが、自分だけではないですからご安心されてください。
実は、たくさんの方にこの症状があるのです。
恥ずかしくて誰にも言えない、などと思い悩んでいる人もいることでしょう。
世界的にみても、失禁は男性より女性に多い症状のようです。
日本人だけでも、約400万人もの女性患者がいると推定されているようです。
尿失禁は、決して珍しい症状でもなければ、高齢者だけのものでもありません。
20代、30代の若い女性から、中年女性や、高齢者の女性に至るまで、かなり多いのです。
40歳以上の女性の場合は3人に一人だそうです。
尿失禁は、命にかかわるとい種類のものではありません。
しかし、その人の日常生活に障害が生じる、それが原因で生活の質を低下させるという点で、非常に深刻な症状なのです。
初めにも述べたように、尿失禁の症状の方は非常に多く、尿失禁の治療を受けることは珍しいことでも、恥ずかしいことでもないのです。
まず尿失禁について知る、と言うことから始めたら、1人で悩まなくてもいいことがお分かりいただけます。
尿失禁にはさまざまな種類がありますが、くしゃみやせきをしたとき、急に立ったときや物を持ち上げたときなどに膀胱に圧力が加わり、下着を少しぬらしてしまうなど典型的な症状の腹圧性尿失禁があります。
腹圧性尿失禁は女性に多く、膀胱や泌尿器を支える括約筋や骨盤底筋群などの力が弱くなるのが原因です。
泌尿器の構造自体が、男性に比べ複雑に作られている上に、出産に備えこれらの筋肉が男性よりゆるめにつくられているのです。
それに加え、妊娠・出産などを経て、さら年齢を重ねるにつれ症状が現れやすくなるから、仕方ないことなのです。
また、尿失禁の中に、切迫性尿失禁というのもあり、オシッコをもよおしてもトイレまで間に合わずに、途中でもれてしまうというあれです。
この原因は、脳や脊髄の障害・膀胱の不安定性・膀胱や尿道の炎症などが考えられます。
適切な治療を受け、積極的に受診し、楽しい毎日を過ごしましょう。