排尿 困難
排尿困難とは尿が出にくい症状のことで、一般的にそう呼んでいます。
オシッコがしたくなってトイレに行ったとき、普通の正常な人では、、直ちにオシッコが出始めて、勢いよく途絶えることなく、通常は30秒以内くらいの短時間にオシッコは終了します。
この一連のオシッコをする円滑な動作に障害が出てくることを排尿困難と言い、オシッコ開始まで時間を要し、オシッコをし終わるまでに時間がかかる状態を指します。
別な言い方をすれば、力を入れないと尿が出ない、尿が出るまでに時間がかかる、尿のでかたに勢いがない、尿が出終わるまでに時間がかかる、といった症状を指します。
排尿困難、尿線異常の原因としては、尿道・膀胱や前立腺に起因する疾患、排尿に関する神経支配の障害に大別されます。
まず、尿道・膀胱や前立腺に起因する疾患ですが、特徴は以下のような症状です。
①前立腺肥大症→50才以上の老人男性の排尿困難では、この症状が一番多く見受けられるようです。
オシッコにに勢いがない、夜尿に何回か起きるようになったといわれる方は、肥大症を疑ってみることが必要です。
②前立腺炎→これは若い年代からも見られるようです。
前立腺炎には急性と慢性があり、急性前立腺炎では、突然会陰部痛、排尿痛、悪寒、発熱、頻尿から尿閉に至ることがあり、慢性前立腺炎では、比較的長く続く会陰部痛、残尿感、頻尿などの症状があります。
③前立腺ガン→近年日本の男性にも増加してます。
老人男性の方や、排尿困難の方、排尿障害の方は、前立腺ガンの検診などによる早期発見が必要です。
④子宮筋腫→女性が排尿困難となった場合に、まず考えなければいけない病気の一つです。
泌尿器科で、内診・超音波などで診断されることがありまり、治療は婦人科の手術によります。
次に、排尿に関する神経支配の障害に起因する疾患ですが、神経因性膀胱というのがあります。
通常、オシッコは無意識にしていますが、このオシッコを支配する自律神経があり、骨盤自律神経回路の障害によって起こる排尿異常です。
骨盤自律神経が支配している箇所は、膀胱、直腸、性器です。
陰部神経が支配している箇所は、尿道、肛門、性器それぞれの括約筋です。
そして、それらの神経に障害が発生すると、患者さんは排尿の異常とともに、排便の異常、性機能障害などを伴います。