不眠 治療

不眠治療をするには、不眠の原因を正確に特定する必要があります。
とりあえず、睡眠薬を飲んでおけば良いというものではありません。
不眠症の種類はたくさんありますが、不眠治療のために通院している方の半数以上が「うつ」に起因すると言われています。
このような精神障害に伴う不眠症の特徴としては、不眠以外に動悸や息切れ、頭痛などの症状が起こります。
次に多いのが、薬物やアルコール常用による不眠です。
薬物あるいはアルコールが習慣化することによる不眠症で、睡眠薬依存睡眠障害、アルコール依存睡眠障害といわれるものです。
また、最近特に取りざたされる睡眠障害には、呼吸障害に伴う不眠があります。
いわゆる、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれるものです。
そのほかの不眠の原因としても、時差ボケや昼夜逆転するといった体内時計のズレが原因の不眠や、眠ること自体に対して不安と緊張を感じて不眠になったり、妊娠による変化のために不眠になったりと、一口に不眠といってもその原因は多様化していますので、不眠治療も多様化に対応するものでなければなりません。
もちろん、理由のない不眠、原因を取り除けない不眠というものもあり、その場合は治療の一環で、精神安定剤や睡眠薬を使用することもあります。
睡眠薬は、以前はバルビツール酸系のものが主流でした。
これには習慣性の強いものや、飲み方を間違えると死に至るものもあり、睡眠薬を飲むことに対して神経質になっていました。
現在の睡眠薬は、ほとんどがベンゾジアゼピン系といわれるもので、安全性の高いものです。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、年齢によって変化する深い眠りやレム睡眠の割合に影響を与えないので、薬を飲むことで起こる不快感がバルビツール酸系のものより少ないです。
いずれにせよ、すぐに睡眠薬に頼るのではなく、不眠の原因を正確に知ることが不眠治療の王道だと認識すべきです。