歯槽 膿漏 治療
歯槽膿漏の治療について見てみましょう。
その前にショッキングな数字を紹介します。
歯槽膿漏はご存知のように歯茎からの病気ですが、世界の70%の人々が何らかの歯茎の病気にかかっていると言う統計があります。
この数字は、深刻ですね。
人口の70%の人が、歯槽膿漏の諸症状に悩まされているか、その予備軍だと言うことです。
驚きですね。
では、歯槽膿漏の治療について説明します。
治療法は、大きく分けて、自宅での本人若しくは家族によるケアと、専門医による治療です。
先ず、自宅での治療ですが、これは歯磨きが基本です。
しかし、歯磨きといっても適当なことでは治療になりません。
自宅で歯槽膿漏(初期段階・軽度)の治療は、歯と歯茎の間に出来た歯周ポケットに溜まった歯石の除去がポイントです。
そのためには、歯周病予防の歯磨き粉を使ったり、毎食後に一度の歯磨きを15分以上磨く事が必要です。
最近は、超音波歯ブラシが売られているので、余裕があれば買っても良いでしょう。
時間短縮と歯垢、歯石の除去に効果があります。
次に、自宅でのケアでは間に合わない中度から重度の歯槽膿漏の治療は、やはり専門医になります。
歯医者での歯槽膿漏治療は、以下のようにいくつかあります。
Ⅰ、薬を塗って歯と歯茎に細菌が入らないようにする治療法や、中等度の歯槽膿漏は薬で歯周ポケットを洗浄する治療法があります。
Ⅱ、歯槽膿漏の症状が進んでいる場合には、歯の外科手術があります。
歯の外科手術には、
①悪くなっている部分を取り除く歯肉切除手術や歯肉剥離掻爬手術
(しにくはくりそうはしゅじゅつ)
②歯肉が腫れた場合に歯周ポケットを取ってしまう手術です。
膿の袋(盲のう)を持つ肉芽部分を切除し、縫い合わす歯肉切除手術
③歯周組織に遮断膜という薄い膜を被せ、歯周組織を再生させる手術
(この遮断膜を被せることができる場所が限られているので、誰でもできるものではありません。)
④手術が終わった後でも定期的に歯肉の様子や歯石がついていないかなどチェックするアフターメンテナンス
(メンテナンスを受けた人と受けない人ではその後の症状に明暗が分かれます。)
最近は、手術にレーザー治療が用いられています。
この様な治療法がありますが、歯槽膿漏も早期発見、早期治療が肝腎ですよ。
歯槽 膿漏 症状
歯槽膿漏の症状は、一概に言えませんが人それぞれの症状が表れます。
ところが、歯槽膿漏と言うのは案外曖昧に認識されていますし、ほとんどの方が歯周病との区別が出来ないのが現状でしょう。
あなたは、歯槽膿漏の症状について正確に言えますか?難しいですよね。
では、まず歯周病と歯槽膿漏との関係・関連がどうなっているのかを簡単に説明しましょう。
歯槽膿漏は、一般に、歯周炎の末期症状で、歯槽骨が溶けて歯茎から膿の出ている状態を言います。
正式には「辺縁性歯周炎」と言います。
歯周病には、歯肉炎と歯周炎があり、歯肉炎がひどくなった状態が歯周炎です。
ですから、歯槽膿漏は、歯周病の一種である辺縁性歯周炎と言うことなんです。
歯周病が歯槽膿漏より範囲が広いと言うことを覚えてください。
では本論の歯槽膿漏の症状について説明します。
一般的に歯槽膿漏の症状としてよく言われているのが、
①ハブラシをしたり、リンゴなど食物を食べると血が出る。
②歯茎が腫れる
③口臭が酷い
④冷たいもの、熱いものでしみる
⑤歯がぐらぐら揺れたり、ひどくなると歯が抜け落ちる。
このような症状が歯槽膿漏の症状です。
これを深刻度にあわせて整理してみると、
①初期段階は、歯の表面に少し歯垢や歯石がついています、自覚症状はありません。
②歯と歯の間の歯肉が赤く腫れます。歯磨きをすると出血します。
③歯の周囲の歯肉は赤く腫れます。
この段階で口臭・出血・不快感が自覚されます。
少し歯がぐらぐらします。
重度の歯槽骨の破壊の始まりです。
この段階では、歯と歯茎の間に、歯周ポケットが出来、そこに汚れがたまりやすくなり、膿の袋(盲のう)ができます。
④歯肉は化膿し、腫れています。
支えの骨が溶けてしまいます。
そのため歯の動揺は大きくなります。
歯のぐらつきが左右の揺れなら治療可能ですが、上下の揺れになれば最終的に抜けるだけです。
このように、歯槽膿漏の症状は、歯茎部からの排膿、強い口臭、歯の動揺、発赤、腫脹がみられます。
歯槽 膿漏 薬
歯槽膿漏の薬はいろんなメーカーからいろんな種類の薬が販売されています。
世界人口の70%の人が歯槽膿漏や歯周病などの歯茎の病気に悩んでいるという統計がありますから、相当な需要があるのですね。
歯槽膿漏の薬を調べてみたら大きく2つに区分できると思います。
一つは、歯槽膿漏の患部に直接塗る塗り薬系、もう一つは、歯槽膿漏の原因から治そうとする抗生物質系です。
歯槽膿漏の患部に直接塗る塗り薬系は、一般にも市販されていますが、
①痛みをや和らげる鎮痛作用
②腫れや痛みを和らげる抗炎症作用
③炎症の熱やほてりを和らげる解熱作用
④腫れや痛みを和らげる消炎鎮痛作用
⑤細菌の増殖を抑え膿を減少させる抗菌作用などが成分として含まれています。
初期症状や軽度の場合は、この様な塗り薬系の歯槽膿漏の薬で対処できるでしょう。
ところが、この塗り薬系は、一時的に炎症を抑える薬で、根本的な治療が出来る歯槽膿漏の薬とは言い難いですね。
そこで、もっと根本的な歯槽膿漏の治療に役立つ薬の登場が望まれていました。
今まで歯槽膿漏は、細菌の塊である歯垢(歯の表面についた白っぽいネバネバ。プラークとも言う)を時間をかけた歯磨きなどで除去し、治療するのが定説でした。
ところが最近、歯槽膿漏の原因が細菌ではなく、実はカビのカンジダ菌が大きく関与していることが解ってきたのです。
どう言う意味かと言えば、歯槽膿漏の歯茎や歯の表面組織に細菌ではなくカビの一種であるカンジダ菌やその胞子が侵入しており、歯垢の大部分も実はカンジダ菌だったのです。
この新事実を突き止められた結果、歯槽膿漏の薬として新たに登場したのが、歯周病嫌気性菌(歯周ポケットの中に付着している酸素を必要としない菌―歯石の原因菌)に抗菌力を発揮する抗生物質と抗カビ剤を歯槽膿漏の薬として用いた治療法です。
又、歯槽膿漏の原因が細菌ではなく、カビのカンジダ菌だという事が解ったので元々は歯槽膿漏の薬ではなく、体内の消化管にカンジダ菌(真菌)が増殖したときに使う薬(ファンギゾンシロップ)なども歯槽膿漏の薬として使われるようになりました。
どんな薬もそうですが、使用上は、必ず医師か薬剤師のアドバイスをうけて使用しましょう。