癌免疫療法
癌の治療には、「手術」「化学療法」「放射線療法」などがあり、これらは昔から行われてきた代表的な治療法です。
これまでの治療法は、治療の過程で治療効果以上に副作用などで患者さんに苦痛が伴うことがあります。
よく知られているものでは「放射線療法」は、副作用で髪の毛が抜けてしまいます。
これなどは女性にとっては苦痛のでしかありません。
また、髪の毛が抜けるだけでなく、体の倦怠感などもあり、事前にそのことは伝えられますが、中々なれることはできない症状です。
また、化学療法のように副作用が激しい場合は、激しい嘔吐などで、年令や体力に実施が難しい癌治療も多くあります。
こうした今までの癌治療と違い、免疫療法は厳しい副作用が比較的少ないことが特徴です。
副作用が少ないということで、患者のクオリティーオブライフ(QOL:生活の質)が向上し、より治療に専念できることになります。
こういったことから癌免疫療法は近年、「第4の癌治療法」とも呼ばれるようになりました。
癌免疫療法と従来の手法との大きな違いは、手術や化学薬品、放射線などの治療法は外部からの癌への攻撃だったわけですが、免疫療法は人間が持っている免疫機能を高めて癌細胞を攻撃して治療の効果を高めようとするものです。
ある意味、外部から異物を入れて治療するよりも、もともとからだの中にあった免疫を使うので無理が生じにくく、それが結果的に副作用を抑えたり、持続的な効果が期待できる要因になっています。
では、癌免疫療法にはどのような種類があるのでしょう。
実は様々な種類があることが分かっています。
その中でも大きく分けると以下の3種類に分けられます。
1)「能動免疫療法」
2)「受動免疫療法」
3)「その他の免疫療法」「能動免疫療法」とは免疫を活性化させる物質を体内に取り入れることにより、免疫が刺激されて活性化する治療法です。
これには「健康食品」(食品なのでほとんど副作用がないと言われています)、「サイトカイン療法」(代表的なものはインターロイキン2、インターフェロン)、「免疫賦活剤」(単独で治療に用いるのではなく、手術や抗癌(がん)剤と併用して免疫力の低下を防ぐ)、「ワクチン療法」等が含まれます。
「受動免疫療法」とはリンパ球などの免疫細胞を体の外で培養・活性化し、再び体に戻す療法です。
これは体の中のリンパ球を一度体の外へ出して活性化して戻す事から「養子免疫療法」とも呼ばれています。
これにはNK細胞療法や活性リンパ球療法等の細胞免疫療法等があげられます。
「その他の免疫療法」とはイメージ療法、サイモント療法、音楽療法など薬剤を使わない療法です。