サルコイドーシスとは
サルコイドーシスとは全身の臓器に類上皮細胞肉芽腫という結核をはじめとした感染症に良く似た病巣をつくる原因不明の疾患です。
サルコイドーシスの典型的な病巣として両側の肺門リンパ節、肺、目、皮膚があります。
その他にも筋・神経・心臓・腎臓・骨・消化器なども罹患します。
その結果、目のかすみ、視力低下、飛蚊症(蚊などの小さな虫が飛んでいるように視野に移動するものが見える)、羞明(まぶしさを感じる)霧視(霧がかかったようにぼんやりと見える)、など眼の症状で気が付くことが多く、その他に咳、呼吸困難、皮膚の発疹、不整脈、関節痛、全身倦怠感、発熱なども生じます。
しかしサルコイドーシスの初期には自覚出来る症状が軽微なために健康診断の、特に胸部レントゲン写真の異常で発見されることも多いのが特徴です。
サルコイドーシスは遺伝性の疾患ではありませんし、また人に伝染する疾患でもありません。
10万人あたり7.5人~9.3人程度の割合の患者数と推定されており、若干女性に多く、20歳代と50~60歳代にピークがあります。
また男性のサルコイドーシスの発症年齢のピークは20歳代です。
サルコイドーシスは原因不明の疾患と言われていますが、ある種の嫌気性菌や、L型結核菌やウイルスや自己免疫との関係も指摘されています。
サルコイドーシスの治療はステロイドホルモンが最も有効な薬です。
ただし90%の患者さんはステロイドホルモンの投与によって通常の生活に支障なく過ごすことが出来ます。
細かい数字をあげると、10%程は何も治療をしなくても数年で治り、40%ほどは少し病変が残ることもありますが治療の必要がなく、40%ほどは点眼薬を含めて治療の必要はあるものの安定した経過をとります。
残りの10%ほどはステロイドホルモン投与、免疫抑制剤などを併用しながら、余病の併発やサルコイドーシスの進行によって心臓病変による突然死や肺繊維症などによって死亡しないように注意していかなければなりません。