閉所 恐怖症 克服


閉所恐怖症を克服するには、いくつかの方法がありますが、人によってベストな方法はそれぞれ違うようです。

閉所恐怖症克服法として、まずあげられるのは、周囲の人たちの協力があります。
閉所恐怖症を含めた恐怖症というものは、どうしようもない恐怖が襲ってくるというもの。
本人でなければ、なかなか理解できないとはいえ、その恐怖が自分ではどうしようもないという事を周囲の人が理解してあげることで、当人の気持ちを落ち着かせ、安心させることで、恐怖を緩和させることができると言われています。

次に閉所恐怖症本人が閉所に行く前に恐怖と感じてしまうポイントを書き出し、それが決して恐怖の対象ではないと自分自身に認識させる方法もあります。

頭の中で考えているだけでは、とらえようのない恐怖だけが大きくなってしまいますが、紙に書き出すことで頭の中を整理することができるため、恐怖を緩和することができるというものです。
しかし、人によっては、このように紙に書き出すことで、余計に恐怖が大きくなってしまう人もいます。
その場合は、逆説志向療法という考え方が効果的だと言われています。

逆説志向療法とは、オーストラリアの精神科医ヴィクトル・フランクルが考えた療法で、自分がその対象に対して恐怖を感じることを受け入れ、怖いことが悪くない、怖いことは当然であり、しょうがないことだと考える方法です。

フランクルは、不眠症の患者に対して、寝ようと努力させるよりも、ずっと起きておくように指導した場合、逆にすぐ寝てしまったことなどがあり、逆説志向療法の効果を是を感じたそうです。

視覚・聴覚の障害に加え、話すこともできないという三重苦を抱えたヘレン・ケラーもその三重苦を嘆かずに受け入れることで、障害を持つ人の救済に尽力でき、障害者福祉の母と呼ばれるまでになったと言われています。
ヘレン・ケラーの例をとっても、逆説意向療法は恐怖症を抱える人にとっては、有力な療法と言えます。