内臓脂肪症候群
内臓脂肪症候群とは、すっかり有名になったあのメタボリック症候群である。
メタボリックシンドロームとも言う。
最近では、通称「メタボ」と略して呼ぶ場合もある。
このメタボを正しく理解するには、まず内臓脂肪型肥満とは何かを知る必要がある。
内臓脂肪とは、心臓や肝臓、胃、大腸などのまわりについた脂肪のことだが、この内臓脂肪が貯まり過ぎた状態を内臓脂肪型肥満と呼んでいる。
肥満と言うと、デブを思い浮かべるが、この内臓脂肪型肥満は、内臓周りだけに脂肪が付くので、見た目には分かりにくいのが特徴である。
しかし、貯まりすぎるとやはり見た目にも現れてきて、いわゆるポッコリお腹の方になってくる。
この内臓脂肪は、血圧や血糖値を下げる働きを邪魔する物質を出すことが知られていて、これにより動脈硬化が進行、「高脂血症」、「高血圧」、「糖尿病」といういわゆる生活習慣病をひき起こす原因になるのである。
つまり同じ肥満であっても、内臓脂肪型肥満は病気を誘発する、非常にタチの悪い肥満ということになる。
そして、この内臓脂肪型肥満の人が、「高血糖」、「高脂血」、「高血圧」といった生活習慣病の危険因子を二つ以上持った状態のことを「内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)」というのである。
この「高血糖」、「高脂血」、「高血圧」というの危険因子は、それぞれが一つだけも心筋梗塞や脳血管疾患などを引き起こすのであるが、複数持つことにより、さらにその発症する危険性が高まることが知られている。
内臓脂肪がついているかどうかを知るにはウエストのサイズを測るのが手っ取り早い方法である。
おへそのあたりでウエストを測ってみよう。
男性は85cm以上、女性では90cm以上がその可能性が高い。
また、おなかの脂肪をつまんでみて、しっかりとおなかがつまめるのはいわゆる皮下脂肪である。
ところが、お腹が出ているのにつまみにくいという方は内臓脂肪がたまっている危険性が大きい。
また、いわゆる高脂血症(中性脂肪値が150mg/dl以上、HDLコレステロール値40mg/dl未満のいずれか、または両方)、高血圧(高い方が130mmHg以上、低い方が85mmHg以上のいずれか、または両方)、糖尿病(血糖値(空腹時)が110mg/dl以上)のいずれか2つに当てはまれば、あなたは完璧に内臓脂肪症候群に該当する。
それぞれは軽症でも、それが重なれば動脈硬化が早く進行し、心臓病や脳血管疾患を起こす危険性が高くなる。
この内臓脂肪症候群を脱出するには、まず食生活の見直しを薦めたい。
1日3食規則正しく食べること、野菜を食べること、よくかんで食べること、夜食はやめること、そして運動不足の解消が大事である。
スティーブンスジョンソン症候群
スティーブンスジョンソン症候群(Stevens Johnson syndrome、SJS)とは皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、文字通り皮膚、粘膜、目などに水泡や湿疹ができます。
スティーブンスジョンソン症候群の症状は、発熱や関節痛、体のだるさから始まり、体のあちこちに赤い斑点や水ぶくれ・湿疹ができて、やがて皮膚がはがれることもあります。
また、唇や口の中、のど、鼻、性器・尿道、肛門、目の粘膜など、全身の粘膜組織にも赤い斑点や出血などの症状が表れることがあります。
ひどい場合には目の表面がただれ失明にいたる場合もあります。
さらに消化管粘膜や気道粘膜がダメージを受けると、下痢や消化不良、呼吸困難などの症状も表れることがあります。
スティーブンスジョンソン症候群は、医薬品、細菌・真菌・ウイルス、マイコプラズマ、食物、ガン、膠原病、寒さや紫外線などの外部の物理的な刺激により引き起こされるアレルギー性の疾患であると考えられていますが、大半は医薬品の副作用として発症するようです。
スティーブンスジョンソン症候群を引き起こす医薬品としては、催眠鎮静剤、サルファ剤、利尿剤、降圧剤、緑内障治療薬、サルファ系抗菌剤、抗生物質など様々な種類の医薬品が報告されていますが、スティーブンスジョンソン症候群の発症メカニズムは明確にはなっておらず、事前に予測・予防するのは困難であると言わざるを得ません。
スティーブンスジョンソン症候群が発症した場合、まず原因となる医薬品や食品、細菌・ウイルスなどのアレルギー物質を探すところから始め、医薬品が原因であると思われる場合にはその医薬品の服用をただちに中止します。
スティーブンスジョンソン症候群の治療には、ステロイド(ホルモン)やビタミン剤とともに、弱くなった皮膚からの感染予防のために抗生物質が使用されますが、医療関係者の中にはステロイドの使用には反対する意見もあります。
クラインフェルター症候群
クラインフェルター症候群(Klinefelter Syndrome)とは,男性のみに見られる性染色体の異常症です。
ヒトの染色体は22対の常染色体と1対の性染色体の計23対46本の染色体から構成されており、性染色体の組み合わせがXXとなれば女性、XYとなれば男性でしたね。
ところがクラインフェルター症候群の男性ではこの性染色体のXが通常より1本多くXXYとなっており、時にはX染色体がさらに多いXXXYタイプやXXXXYタイプの男性も見受けられます。
クラインフェルター症候群は染色体の検査をしてみないとわかりませんので、クラインフェルター症候群の男性はほとんどが自分がクラインフェルター症候群だと気付かずにごく普通の日常生活を送っています。
クラインフェルター症候群が疑われるのは第二次性徴が現れる思春期の頃、「男の子のくせにちょっと女の子っぽいかなぁ?」という印象を周囲に与えます。
クラインフェルター症候群の症状はさまざまで、性染色体に異常があってもこれといった症状はなく通常のXY男性と変らない人、体が男性っぽくならずに女性っぽくなる人、ホルモンバランスの崩れから病気がちになる人などが見受けられますが、一般的には不妊、乳腺発達、身体の女性化、言語障害・学習障害などの症状が見られます。
これらのうち、もっとも代表的な症状は不妊です。
勃起力や射精能力などの性能力は普通なのですが、男性ホルモン不足が原因で精子の量が少ないことから、十分な妊娠能力がないのです。
また、男性ホルモンが少ないことから乳房が発達したり、ヒゲや体毛が濃くならなかったり、声変りしなかったりします。
クラインフェルター症候群の治療は主に男性ホルモンを補充します。
男性ホルモンの1種であるテストステロンを月に1~2回程度筋肉注射するのが一般的です。
ただし、男性ホルモンを補充しても不妊には効果はなく、また、前立腺ガンの人には男性ホルモン療法は厳禁です。