水虫
夏に、足が痒くなる病気といえば、水虫です。
ここでは、水虫の原因と予防を考えます。
足が痒くなったりする感染症は、一般に「水虫」と呼ばれていますが、痒みの原因は虫ではなくて皮膚糸状菌というカビの仲間です。
水虫のカビは、白癬菌といいますが、皮膚の角層に発育して痒みなどの症状を起こすのです。
「白癬菌」は、症状や場所によって、種類が微妙に異なります。
一般に知られるように、足のゆびの間の症状なら「趾間型足白癬」。
足の裏で、皮がむける症状がでれば「白癬」。
同じく足の裏で、水泡ができると「汗疱状白癬」、踵が硬くなったら「角化型足白癬」です。
足の裏の場合には、これらが混在することが多いです。
水虫は、痒みを伴うと思われていますが、実は、約半数の人は痒くなりません。
爪水虫という水虫は、「痒みのない水虫になりやすい人」がかかることの多い水虫です。
爪水虫(爪白癬)は、しばしば爪が変形します。
さて。
できてしまった水虫はそのまま放っておくと、他の場所にもうつることがあります。
足から他の部位にうつった水虫は、名前が代わり、症状も違います。
例えば、股にうつれば、インキン(股部白癬)です。
顔・頭・爪や、身体などにうつると「体部白癬」と呼ばれ、特徴のある症状を示します。
ワッカ状に赤くなる「堤防状隆起を伴う環状紅斑」のとなるのです。
粉を吹くとともに、普通は痒みを伴います。
水虫が手にうつることもありますが、たいへん稀なようです。
このように、水虫の原因となる菌は、体のいたるところにうつるのです。
自覚するしないにかかわらず、足以外の水虫は、菌の温床が足にある場合がほとんどです。
足の水虫も同時に治療しないと、治したつもりでも再発を繰り返すことになります。
水虫かどうかを確定するには、顕微鏡で確認するか、培養して確認する必要があります。
ここまでをまとめると、「水虫(たむし)」とは、白癬菌が人にうつる感染症でした。
白癬菌とは、人に生えるカビの1種です。
このような水虫を予防するにはどうすればいいのでしょうか。
それは、自分の皮膚をカビの生えにくい状態に保つことに尽きます。
まず、普段の生活パターンを見直します。
基本は「乾燥と清潔」です。
お風呂では石鹸でよく体を洗います。
着衣は、風通しと汗を吸い取る肌着や靴下を身に着けます。
木綿・麻・絹製品がよく、化学線維はあまりお勧め出来ません。
菌は洗濯の時に他の衣類にうつる懸念があります。
洗濯は他の衣類と一緒でも構いませんが、十分に洗うように心がけます。
水虫が感染しやすい可能性があるので、自分と他の人との共有は避けます。
とくに足に関するものは気をつけましょう。
例えば、靴・靴下・サンダル・足ふきなどです。
水虫は、市販の薬を根気よくつければけっこう治るものです。
しかし、症状は水虫に似ていても、原因が別のケースもあります。
1週間以上経過して改善がみられなかったり、むしろ悪化の傾向がみられたら、専門医に相談しましょう。
水虫になりやすい体質というものがあります。
足の指の間に隙間がない人は、指の間が水虫になりやすいようです。
汗かきの人も、足の裏が水虫になることが多いですね。
これは、足の裏や指の間の酸性でなくなることが関係しているそうです。
水虫になりやすい体質は、遺伝するといわれています。
両親のどちらかが水虫だと、その子供が水虫になる確立は50%です。
両親が2人とも水虫なら、確率は更に高くなります。
あくまでも遺伝するのは体質です。
水虫菌に接触さえしなければ、水虫にはなりません。
水虫は、日本人の5人に1人がもっているといわれますが、ちょっとした気遣いで、菌に接触する危険を減らすことができます。
プール・銭湯・温泉・ゴルフ場のお風呂・スポーツジムなど、公共施設のバスマット上には、水虫菌が待ち構えている思って間違いないです。
はだしになる施設を利用する際には、自分のタオルを持参し、それで足を拭きましょう。
また、病院のスリッパ等なども要注意です。
病院では、スリッパを殺菌しているところもありますが、全施設で実施しているわけではありません。
マイスリッパを用意するのも、水虫菌の感染に、効果的な予防手段です